たくさん笑った。
たくさん喜んだ。
たくさん怒った。
たくさん哀しんだ。
そうして、わたしはたくさん泣いた。

しあわせだと思う。だってわたしはこんなにもたくさんの感情を知れて、自分の意思で笑って、喜んで、怒って、哀しんで、泣いたのだから。
苦しいこともたくさんあった。逃げ出したくなるときだってあった。
それでもわたしはその一瞬を生きて生きて生き抜いて、嬉しいことや楽しいことを知った。生きるということを、知った。
だからわたしに後悔はない。もとより仮初めの命だ。ここまで"生きて"くることが出来たこと事態奇跡に近い。

いいのだ。
もう、いいのだ。
ここで終わって、いいのだ。

わたしは十分、しあわせだったから。






氷解





(ねぇ気付いてた?)
(わたし、あなたのこと、)










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愛してたんですよ、本当に。
もう、この想いは告げられないけれど。