「けーまっ」


 彼の後ろから走り寄り、ガバッと抱きつきながら名前を呼ぶ。

 けれど、ああ、なんてつまらない!


「なんだ、お前か」

「何そのつまんない反応!少し前なら、あたしが抱きついたりしたら大騒ぎだったのに」

「毎日のように同じことされたら慣れるに決まってる」


 そんなことより、何か用か。

 なーんて、ホントつまらない。
 でもまぁ、今の目的は、別に食満の慌てぶりを見たいわけじゃないので見逃そう。

 ん?あたしが偉そう?いーえ、偉そうなんじゃなくて、正真正銘あたしは偉いの。
 何せ、幼なじみクンの仙ちゃん直伝なんですからね?


「で、なんなんだ?」

「ああ、そうそう」


 にっこり笑って、あたしは抱きついたまんまの状態で、さらにキツく抱きついて。

 そぉっと耳元で囁いた。






「愛してるよ、ダーリン!」





(一瞬固まったあと、茹で蛸みたいに真っ赤になって慌てふためいく君が愛おしくてたまらない!)










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ただ食満を書きたかっただけなのです…