今日は俺こと坂田銀時さんの誕生日だったりする。しかし万屋のメンバーはそんなこと知らねェ。自己紹介もクソもなかったんだから当たり前といや当たり前だが、こういうのも若干寂しいもんだと思う。いや、祝って欲しいとかそんなんじゃなくて。そーいやあいつらの誕生日っていつなんだ。
まぁ、中二のガキじゃあるまいし、誕生日だから仕事休むとかそういうこたぁない。働けるときなな働かないと、常にカツカツですからね。
そんなわけで今日という日もお仕事頑張っていきまっしょう。
すると。
―――ガラガラ
「おはよー」
今日の仕事はかぶき町のとある寺の雨漏りの修理。もそもそと用意を始め、まだ半分寝ている神楽の頭をひっぱたきながら荷物をまとめていたときだった。
新八とは現地合流だからやつがこんな朝早くに訪ねて来るはずがない。家賃回収のババアかとも思ったが、それにしては声が若い。何より、この声には聞き覚えがあった。
「おう、
玄関に顔を出せば案の定、そこに立っていたのはだった。両手には大江戸スーパーの買い物袋が二つずつ。あー重かった、と荷物を置き、さぁ台所へ運べ、と宣った。
「ちょ、さん今日俺仕事なんですけど?」
「え、なんで?」
「なんでってなんだコノヤロー。仕事あっちゃおかしいか」
「いやいやそうでなくて。今日くらい休んじゃえばいいのに」
「なんで」
「なんでって、銀時、今日誕生日じゃん」
まさか自分の誕生日を忘れたの?
云われて、そういやこいつは知ってたんだと気付いた。そして、昔は必ずこいつが豪勢な料理とケーキを作ってくれていたことを思い出す。
、お前仕事は?」
「トシに、前々から非番を今日に当ててもらうの頼んでた」
「……ありがたいこって」
「親友の誕生日くらい、ちゃんと祝いたいからね」
そう云って、台所へ運んだ食材たちをどんどん冷蔵庫へ入れていく。こいつの場合、計算なしだから怖い。確かに俺たちは恋人にはなり得ない間柄だが、だからってまぁ。
ちゃーん」
「んん?」
「サンキュー」
案外すんなりと言葉が出てきたことに自分でも驚いた。けど、まぁ相手がだからと思えば納得がいく。昔から俺は、ことに関してはこうなのだ。
は、一瞬驚いたように俺を振り返り、パチパチと目を瞬いた。それから、笑った。
「私が祝いたいだけなんだから、気にしない」
好きとは違う。
それでも大切。
多分、命かけてでも助けたいと思うし、実際のためなら命がけでもやってやるんだと思う。
俺の誕生日をまともに祝ってくれるやつは、もうこの世に一握りだ。その中の、貴重な一人。
大事にするもんだなぁ、と密かに笑った。
「ほら、笑ってないで仕事行きなよ」
「あれ、休め的なこと云ってませんでしたっけ?」
「ドタキャンは社会人としてダメです。行ってらっしゃい」
「えええ鬼?鬼なの、さん」
「ばぁぁぁか」
ひしっと後ろから抱き締めれば、手痛いデコピンを食らった。眉間。人間の急所の一つだ。
あまりの痛さにもんどりうち、ギロリと思わずを睨めば。

「帰ってきたら、ご馳走だから」

だから、仕事頑張って。
―――ああ、結局俺はこいつにゃ勝てないんだなぁ。






イエスの遺したもの





(それは眩しくて愛しいもの)










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しばらく前の銀ちゃん誕生祝い。
しばらく放置してから書き終えたから、途中から微妙に書き方が違います(笑)

銀ちゃんお誕生日おめでとう!大好き!杉田が!!(ちょ!)

で、銀ちゃんの誕生日っていつだっけ?(素)
とりあえず今月じゃないことはわかるんだが(現在9月)…あれ、今月だっけ??(笑)