馬鹿で阿呆で露出狂でジャシン教でナルシスト、どうしようもないアナタがいなくなったこの世界で私は呼吸の仕方を忘れてしまいそうです。馬鹿だ阿呆だ露出狂だジャシン教だナルシストだと貶しては笑っていた私ですが、結局はアナタのことが好きでたまらなかったのです。素直になれなかった私を許してくださいとも今となっては云えません。何せアナタにはお墓がない。だから墓前で手をあわせたりお墓参りをしたり、出来ないのです。



馬鹿でよかったよ、傍に居てくれたら。
阿呆でよかったよ、隣に居てくれたら。
露出狂でよかったよ、一緒に居てくれたら。
ジャシン教でよかったよ、永遠を誓ってくれたなら。
ナルシストでもよかったんだよ、ちゃんと私を愛してくれたから。

ねえだから帰ってきてよ、お願いだから、いつもみたいに変な笑い方しながら勝手に部屋に入ってきてよ、そしたらいつもみたく時計を投げつけてノックしろって怒鳴るから、

ねえお願い、

嘘 って云ってよ。




アナタが死んだと訊いた瞬間、私の周りの空気から酸素が消えた気がしました。急に呼吸が苦しくなって、頭がガンガンして、ジワリと眼が熱くなりました。リーダーの言葉はあまりにも残酷で、聴きたくないと耳を塞ぎました。
そんなことをしても、 あなたがしんだ と云う事実は消えはしないのに。

崩れ落ちたのは私ではなく世界の方でした。アナタの居なくなった世界は酷く滑稽で浅はかだけど、まるでアナタなど初めから存在していなかったとでも云うように滞りなく動いています。こんな世界は壊れてしまうに違いないのです。

だって、私の愛した人が居なくなったのに、当たり前のように明日がくる。



大きく息を吸っても楽にはなれません

楽になるには

呼吸を止めなければ







オゾンが消えた





(私の周り限定で!)

(今逢いにゆくよ、愛しいアナタ!)











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飛段が大好きです


20100401 再録