見上げれば、私を見下ろす月。 高い高い空の果てから小さな私を、可哀想だと呟きながら見下ろす月。 なんて高慢で残酷な輝きだろう。 甲斐の空は高くて、手を伸ばしたって空にもましてや月にも届きはしない。 ただ、地面に拘束された小さな私が必死に伸ばした手は空を掴んで虚しく落ちるだけだ。 何も掴めはしない。 手にはいるのは虚実か侘しさ。 声を上げて泣き出したかった。痛いと、心が痛いと、泣き叫んでみたかった。 そうしたら何か変わるだろうか。前へ進めるだろうか。 何にもわからなかいから、何もかも手探りで進むしか私に道はなかった。けれどそれでもよかった。例えそうして道を踏み外しても、自分のせいだから。私が選んだ道だと胸を張って云えるから。 だけど、本当は。 寂しかった。 辛かった。 誰かに抱き締めてもらいたかった。 大丈夫だよと、微笑んでもらいたかった。 ―――安心、させて欲しかった。 『 』 「―――――――」 『 』 「―――…」 『 』 「、」 ねぇ、貴方が笑うと私も笑えるの あのね、貴方が嬉しいと私も嬉しいの それと、貴方の傍はね、すごく、すごく暖かいの 「」 貴方の名前を呼ばれると、胸がじんわり暖かくなるの 幸せって、思えるの 「、」 |
私から闇を奪った光で満たされています |
(私を愛してくれた貴方へ) (精一杯のありがとうと愛を) ---------------------- アニキが大好きすぎる |